2017年11月5日日曜日

おじいちゃん、死んじゃったって。

祖父が数日前に亡くなってしまった。「しまった」という言い方はおかしいかもしれないけれど,正直なところ未だに実感がなくて今でもふと「あ,電話しようかな」だとか「今週末顔見に行こうかな」という考えが頭をよぎる。
ドラマチックに泣いたりショックに打ちひしがれることもなく,ただ静かな悲しみが夕方の波打ち際のようにゆらゆらしている。涙が流れても浄化作用がなく生暖かい滴にはすっきりしない。

そんな時に雑誌の映画紹介セクションで『おじいちゃん,死んじゃったって。』を見つけて,公開初日である昨日早速観に行ってきた。
家族の距離感の難しさを再認識されられるダイアログで,痛々しかったり微笑ましかったりな「複雑な家族関係」が淡々と描写されている。
観ている間はなんだか居心地の悪さを感じさせるのだが,終わってしまうと「いい映画だったな」と爽やかな食後感を与えてくれる映画であった。

両親よりも近く大切な存在であった祖父がいなくなってしまったことをどう消化していくのかまだわからないけれど,ひとまずは一緒に行った場所へ再訪して思い出起こしをしながらこの事実に向き合って行こうと思っている。
おそらく長い時間が必要だろうから,ゆっくりと,少しずつ。

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